› *☆桜レター。☆ › 2008年03月23日2008年03月23日ゆいまーる☆


去年の秋
浦添市陸上競技場で那覇浦添地区の全中学校の陸上競技大会が行われた
平日の昼間の行事だったため、PTA広報部からは私1人しか参加できない
息子と車に乗り会場へ
保護者も役員もほとんど来ていない
朝から秋とは思えないほど暑く、私と息子は3本のペットボトルとお弁当をそれぞれ用意していた
各中学校の代表選手が白熱した競技を行う中で、私は一眼レフカメラとデジカメの2台を駆使して撮影をしていた
しばらくすると後ろに座っていた女子生徒が体調不良を訴えだした
周りの生徒は心配して先生に報告しているが、振り向こうとしない
他のことに気をとられて上の空で聞いていた
周りを見渡しても保健の先生が見当たらず、看護師の資格をもっている私が様子を見てみた
青白い顔色と冷や汗、呼吸は乱れ脈も速い
「朝ご飯は食べてきましたか?」
「はい…少し食べてきました」
「飲み物はもってきましたか?」
「いいえ…忘れてきました」
時計を見ると正午を回っていた
木陰とはいえ灼熱地獄の中、4時間近く何も飲み物を口にしていないことになる
私は3本のペットボトルの内、2本は飲み尽くしていたが、スポーツドリンクが1本残っていたので女子生徒に差し出した
熱中症の疑いがあるため少しでも回復してほしいと願った
担任の先生に事情を説明したら、家まで送って行くとのこと
午後の撮影でウチの中学校代表が出場する男子400メートルリレーが間近に迫ってきた
その時、一眼レフカメラのフィルムが切れてしまった
デジカメの撮影を息子にお願いして、フィルムを買いに行こうと門の外を出ようとしたら
「どうかしたのですか?」
と声をかけられ、顔を向けると60才後半ぐらいの男性役員が立っていた
『おやじの会』という腕章をしている
「カメラのフィルムが無くなったので買いに行こうと思います。近くにコンビニとかないですか?」
「歩いていける距離にはありません。私がバイクで買ってきましょう」
「ありがとうございます。そうして頂けると助かります」
「その間に、私からあなたにお願いがあります。お水が午前10時から切れています。どうかお宅の中学校の飲み水が余っていたらわけていただけないでしょうか?」
私は驚いてキーパーの中を確認したら水が1滴もない
飲み水が無くなって3時間以上も経過しているため、このままだと熱中症にかかる心配があった
警備をしている『おやじの会』のメンバーは5人、どの方も60代前後である
幸いどなたも顔色が良く熱中症の症状らしきものは見られない
「わかりました。ウチの中学校のを確認して、無ければ他の中学校もあたってみます」
私はキーパーを受け取り、中学校の持ち場に戻った
午後から来ていた男性役員に伝えたら、PTA用の飲み水から半分わけて、私の代わりにキーパーを届け、新しいフィルムをもってきてくれた
後でわかったのだが、フィルムをバイクで買いに行って下さった方は、父の知り合いのボランティア仲間であり、某中学校の『おやじの会』会長であることを知り感嘆した
肩書きに関係なく会長自らが率先して、真心で動いて下さっていたのかと思うと感謝の気持ちでいっぱいになった
『ゆいまーる』とは沖縄の方言で、お互いに助け合うことを意味する
いつの時代になろうとゆいまーる精神を、沖縄の子孫に受け継がれていってほしいと願っているし、自分自身も真心から誰かを助けていければと行動に移すように心がけている

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